気付いたら

部屋に西日が入ってきてた



朝日奈は

ずっとオレの胸で

何を考えてた?



ふたり黙って

抱き合う時間が

心地よかった



オレは

ずっと

朝日奈、好きだよ

そればっかり

考えてた



親が帰って来た音がしたから

ふたりでリビングに出た



「ただいま」

「おじゃましてます
朝日奈です」



朝日奈がリビングにいた母親に

挨拶した



「いらっしゃい!
噂のひなちゃんね!」



「はじめまして
今日はお世話になります
あ、いつもお世話になってます」



「ばあちゃんが喜んで
毎日電話してくるから
初めて会う気がしないわ」



母親が笑って

朝日奈も笑った



「ひなちゃんが来るから
一応クリスマスぽい料理買ってきたの
でも出掛けるところだった?」



「うん、オレたち出…」
「ご馳走になってもいんですか?」



「もちろん!
お兄ちゃんはクリスマスだから
彼女と出掛けたらしいからいないけど
お父さん帰って来たら一緒に食べよっか
ケーキも買って来てよかった」



「わぁ!美味しそう!」



「朝日奈それじゃ足りないかもよ
いつもスゲー食うから!」



「あら、どぉしましょ
お父さんに電話して…」



「もぉ!そんなに食べないよ!
今日は緊張してるので
これで充分です!」



「朝日奈、いいの?
行きたいところいっぱいあったじゃん」



「うん!
明日もあるし…」