柚梨奈ちゃんは 上目遣いで


俺を見ていた


反則だよ・・・


「そっか・・・本当に似合ってるよ」


「・・・はい」


これ以上は・・・ダメだ


俺は 先を歩いた


「あ・・・待って下さい」


「・・・」


必死に 彼女が追いかけて来る


これ以上 柚梨奈ちゃんと


居ると何をするのか


わからない・・・


ぎゅ


袖口を掴まれた


「唯斗・・・先輩


速いですね・・・」


息を少し切らしながら 彼女が


そう言っていた


ドキン


「・・・追いつくのが


やっとでした」


「ああ・・・ごめん


早歩きしてた」


落ち着かなきゃダメだ


いつも通りに・・・していなきゃ


俺は "先輩"だから