「…やっぱり。
途中、様子がおかしかったのは
生理のせいだけじゃ、なかったろ?」

克が静かに言った。

「…皆に心配させたくなかったから。」

舞もぼそっと言った。

「気持ちはわかるけど…。
ごめんな?こんなになるまで
気付いてやれんくて。」

克はそう言って、ごまかしていた舞を
怒るわけでもなく、優しく舞の頭を撫でた。

「んーん。私もごめんね。
克には、ちゃんと話せばよかった。
逆に心配させちゃったね。」

「だから!…ま、でも舞らしいね。
皆に聞く?絆創膏、持ってるかもだけど。」

克が舞に尋ねた。

ふるふると首を振る舞。

「…わかった。そしたら俺
帰りのこと考えとく。」

克は舞の気持ちを優先して、皆には
言わないようにしてくれた。

「…克、ありがとう。」

舞が克に囁く。

「…困ったお姫様ですこと。」

克はコツンと舞を小突いて言った。