「舞、あった!りんご飴屋さん。」

克が手を引いて、舞を屋台に連れて行く。

「よかった。ありがとう。克もいる?」

「んー、俺は舞に少し貰おうかな。」

「わかった。…りんご飴。1つください。」

「はいよっ。」

屋台のおじちゃんが
袋に入ったりんご飴をくれる。
屋台の光にあたってキラキラ光っている。

「たこ焼きとー、あとポテトも買おう。」

「うん。いいよ。
それはそうと、舞、体調悪くない?」

「何でー?」

「さっき、様子変だったから。」


ズキンッズキンッ

歩く度に靴擦れが痛む。


「ん?大丈夫だよ。
今日、生理だからかな?
ちょっと調子悪いのかも。」

心配をかけまいと、舞は克にそう言った。

「生理もきついでしょ?
トイレ行かなくて大丈夫?」

克が心配して聞いた。

「今のところ大丈夫だけど
ちょっとトイレは行ってくるね。」

そう言って舞はトイレに入った。

「あー、めちゃくちゃ痛いー!
そして、明らかに酷くなってる。」

トイレに腰掛けて
草履をずらしてみる舞。

「うー、でもせっかく皆で
来てるからな。帰るまでの我慢。」

そう言って気合いを入れて
立ち上がる舞。

何もなかったかのように克の元へと向かった。