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「雨麗様。
夜中に皆様を連れ込まれて何されてるのかは大方検討がつきますが、最近やけに多くはありませんか?」
「……別に多くて困るものでもないでしょ」
「雨麗様、あなたはもう少し自分が女性であり、
まだ未成年だということを自覚してくださ、」
「それ小豆が言う……?」
わたしとの一件忘れたの?と。
ズバズバ口出ししてくる小豆に言えば、彼はしれっと視線を逸らして黙る。一応彼も、反省はしているらしい。一応ね。
「16歳での結婚が認められてるのに未成年に手を出すのは禁止だなんて、
本当に国家級のハニートラップでしかないわよね」
確認を終えた書類に署名してから小豆に渡すと、彼は「確かに矛盾はしてますよね」とそれに同意しながら受け取った。
今日は全員が稽古オフの日で。5人一緒に遊びに行っているから、めずらしく静かだ。
「……部屋に置いてある書類、取ってきます。
雨麗様も、少し休憩なさってください」
お茶の用意をしますから、と。
小豆が部屋を出ていってすぐ、スマホが震える。相手はめずらしく柊季で、どうしたの?と応答すれば、短い返事がかえってきた。
『パフェかケーキかチョコか、団子かあんみつ』
「……なにその選択肢」
『土産。どれがいーんだよって』
……どうやら、わたしにお土産を買ってきてくれるらしい。その選択肢なら恐らくデパートの地下にいるんだろう、ということは容易に想像できた。
和璃の結婚披露宴に出席するためのスーツを下見しておいでと言ってあったから、見に行った帰りだろう。
「んー……あんみつ、かな」