傷の女はレアといった。レアは毎日俺の見舞いに来てくれた。
見舞いは、上司や部下、同僚なんかも来たが、初日に来た黒髪の女はあれ以来来なかった。

レアは話し好きで、
まだベッドから出られない俺を会話で楽しませてくれた。

上司は俺には欠けた記憶があることを言われたが、それが何だったのかどんなことなのかがわからない。
かけた記憶についてレアに相談したことがある。
でもレアは、かけた記憶を無理に思い出そうとしなくてもいい。体をしっかり治すことが今は重要だ。といい、それもそうかと俺はひたすらリハビリに励んだ。

ようやく傷の抜糸も済んだところで俺はリアへの想いを伝えることにした。
それと同時に上司からある店に来いと告げられた。