奏馬はご馳走さまでした。と丁寧に手を合わせてお皿を流しに持っていくとボブに切り揃えられた私の髪をいじりに来る。

「ほんと危なっかしいからなぁ麻友は。」
「大丈夫だよ〜もう心配性なんだから〜」
「大丈夫じゃないから言ってんの」

念を押すように
だから早く帰ってこいよと耳元で囁いてくる声


わかったよと答えるとふわっと後ろから肩に手が回りぎゅっと引き寄せられる

「好き」
「私も…好きだよ」
「うん知ってる、もうずっと前から」

クスクス笑い合いながら幸せを噛み締める。

もうなにもいらないや、
こんなに幸せなら他に何もいらない。

「時間が止まったらいいのにな〜」
そんなことを言いながら私の肩に顔を埋めてまだクスクス笑っている彼。

ねぇ、私もね今同じこと考えてたよ。