あれからほとんど顔を合わせなくなった。

かろうじて存在を確認できるものと言ったら
脱衣所に抜け殻となった服が残されていることくらい。

連絡も、もう随分返信がない。

既読もつかなくなってしまってから送るのを辞めてしまった。

心が折れてきていた。
「…また違う匂い、」

ざわざわしていたものが段々と形となって重くのしかかってきていた。

唯一ここに帰ってきていることが確認できる服を洗おうと持ち上げるとやっぱり彼のではない香水の匂い。

その匂いが