「あーあ、私もお見合いしようかなぁ」

「えっ!お見合い?!」

私の呟きに姫乃さんは目を丸くして驚いた。常に恋愛をしていた私が“お見合い”だなんて似合わないことを言い出したから、余計に驚いたのだろう。

でもさ、正直もう待ちくたびれた感があるんだよね。待っていたのに放っておかれて、なおかつ潤くんはお見合いをするという身勝手さ。それから、親からの遠回し的な結婚への期待。

どれもこれもが私に重圧をかけてくる。

「ちょうど親からも勧められたことだしね。お見合いを経験してみるのもいいかもって思って」

「ああ、そういうノリ?今は結婚相談所とかあるし、中には女性の登録はタダのところもあるみたいだよ」

「姫乃さんどこか良いところ知ってる?」

「会社の後輩がいくつか登録してるって言ってたから、聞いてみるよ」

「わあ、ありがとう!」

「素敵な人が見つかるといいね」

親身になってくれている姫乃さんには悪いけど、お見合いで結婚相手を探すのは一種の憂さ晴らしのようなものだ。そこでいい人に出会えれば儲けものだし、ダメでもタダで登録できるなら私に損失はない。