次の日から僕は毎日あの散歩道で小百合さんを待っていた。
だけど一週間経っても彼女とまた会える気配がない。
やはり諦めるか、連絡先を特定するか、迷ってる時、、、
彼女は現れた。
男と一緒に。
2人は腕を組みながら歩いている。
だがあれは2人とも幸せそうではなかった。
僕は今まで色んな人を見てきた。
だから人間の偽りの表情くらい分かる。
2人とも仮面をかぶっているのだ。
僕は話しかけようか迷ったが今日を見逃したらもう彼女に会えないような気がして勇気を出して話しかけた。
「あの、少し時間いいですか?小百合さん。」
なんか職務質問みたいになってしまった。
「あ、あの時の、、高月さん?」
「小百合、知り合いか?」
「うん、少し話してきていい?すぐに戻ってくるから。」
「分かった。」
僕と小百合さんは少し離れたところで立ち止まった。
「すみません。急に。隣にいたのは彼氏さんですよね、。」
「はい、お付き合いしている永森高貴さんです。」
「やはりそうでしたか。だけど僕、小百合さんをあきらめるなんてことできません。」
「そう言われても…。」
「小百合さんは今あの人といて幸せですか?」
「はい。…幸せですよ。」
小百合さんは苦笑いをして応える。
「…僕にはそう見えませんでした。本当は何か不安があるんじゃないですか。」
「…」
少しの沈黙の間が続く。
「…実は、最近彼の様子が少しおかしいんです。監視されているような気がして、。」