「高貴さんと別れたことについてなんですが。彼、別れる時に『あとはこっちでやる。』そう言ったんです。『お前のことなんて元々好きじゃなかった』と。そう言ったということは、何か目的があって私と付き合ったということになります。体目的。最初はそう思いました。だけど1年間付き合っていて私達はまだそのような行為はしたことがありませんでした。だから、別の目的、。」


「あまり言いたくないのですが、実は、最近私の両親が亡くなったんです。」


そう言われた瞬間、僕は息を呑んだ。

「殺されたんです。犯人は捕まっていない。でも丁度その時からなんです。高貴さんは妙に私や私の家族について探ってきました。そして、三日前。私の大好きだった私の姉が殺されました。最後に高貴さんに言われたあの言葉、『あとはこっちでやる』は私達家族にむけた殺害予告だったのではと考えたんです。朔さんはどう思いますか。」


僕は汗が止まらなかった。最初に高貴に会った時、何か違和感があった。なんとも聞き覚えがあるような声だった。