手首から先は動くけれど、他はまだ力が入らないんだそうだ。
「うーん……。血を入れる前に吸い過ぎたかな? 月見里さん、申し訳ないけれど広瀬くんに血をあげてくれないかい?」
「え⁉︎」
「ほっといても動けるようにはなるはずだけど、時間がかかりそうだし。血を摂取すれば、吸血鬼としての力も瞬時に増すからすぐに動けるようになるはずだ」
突然の頼みに驚いたけれど、説明に納得した。
血を摂取するのは吸血鬼としての力の元だからだと安藤さんから聞いていたから。
ちなみに、だからこそ体を維持するために人間と同じような普通の食事も必要だ、と食事をないがしろにしがちな陽呂くんは言われていたっけ。
それを聞いたおばさんが前以上に食事に力を入れちゃったらしいけれど……それはまた別の話。
「えっと、指先からとかのちょっとで大丈夫ですか?」
というあたしの確認に。
「いや、出来ればちゃんと首からの吸血で。いくら“唯一”で少量の血ですむと言っても、流石に指先からじゃあ少なすぎるからね」
と月原先生は普通に言う。
「え……」
首からってことは、いつも金曜日の夜にしていることをするってわけで……。
「っ‼︎」
吸血後にあたしがどんな状態になるのか見られてしまうってことでもある。
「うーん……。血を入れる前に吸い過ぎたかな? 月見里さん、申し訳ないけれど広瀬くんに血をあげてくれないかい?」
「え⁉︎」
「ほっといても動けるようにはなるはずだけど、時間がかかりそうだし。血を摂取すれば、吸血鬼としての力も瞬時に増すからすぐに動けるようになるはずだ」
突然の頼みに驚いたけれど、説明に納得した。
血を摂取するのは吸血鬼としての力の元だからだと安藤さんから聞いていたから。
ちなみに、だからこそ体を維持するために人間と同じような普通の食事も必要だ、と食事をないがしろにしがちな陽呂くんは言われていたっけ。
それを聞いたおばさんが前以上に食事に力を入れちゃったらしいけれど……それはまた別の話。
「えっと、指先からとかのちょっとで大丈夫ですか?」
というあたしの確認に。
「いや、出来ればちゃんと首からの吸血で。いくら“唯一”で少量の血ですむと言っても、流石に指先からじゃあ少なすぎるからね」
と月原先生は普通に言う。
「え……」
首からってことは、いつも金曜日の夜にしていることをするってわけで……。
「っ‼︎」
吸血後にあたしがどんな状態になるのか見られてしまうってことでもある。