私はそう言って笑った。本当は応援なんかしたくもない。でも私は、遥の笑顔が大好きだから。遥の幸せを壊したくない。だから、自分の気持ちにそっと蓋をしよう。そう決めた時、遥が席をたった。そしけ私の隣に座って、体をこちらに向けた。それに反応して、私も体を遥の方に向ける。
「遥?何して....」
そう口を開きかけた私の顔を遥は真っ直ぐ見つめる。その顔があまりにも真剣で思わず口を閉ざす。そして、大きく息を吐いたあと遥は言った。
「私ね、ずっとずっと好きだったの。沙希のことが。」
あまりにも、予想外の言葉に思わず言葉を失う。
もしかしたら、これはただの聞き間違いかもしれない。
そう思ったけど、聞き間違いではないとすぐにわかった。だって、目の前にいる遥の目には確かに熱がこもっていたから。
そして、また遥が口を開く。
「私と付き合ってくれませんか。」
その言葉に答えるために混乱している頭を落ち着かせてから、口を開く。
「私も、遥のことが好きです。だから、よろしくお願いします。」
そう言って、かすかに震えていた遥の手を優しく握る。
「ありがとう。よかった。」
そう言った遥の声はとても震えていていた。
「初恋が、叶わないなんて嘘だったみたいだね。」