「春斗、それは違うぞ。春斗のせいじゃない。俺は春斗が少しでも長生きしてくれればそれでいい。春斗のためならどんなことだってやる。親だからとか、義務でやってる訳でもない。俺が、心からそうしたいんだ」
父は席から立ち上がり、僕の方に近づいてきて優しい腕で抱きしめながらでそう言ってくれた。
昔の父と同じ優しい腕抱きしめられたからか気づいたら僕の目から涙が出ていた。
「うっ……うっ…………」
そんな僕を見ながら母が、
「そうよ、お父さんの言う通りよ。子供が自分たちより早く死ぬことを望んでる親なんているわけないんだから」