彼女が勝ったところで時刻を確認すると、気づいたら夜の七時になっていた。
「もう帰るね。親が心配するし」
「そっか…。あのさぁ、これからも遊んでくれるよね…?」
それは普通、僕が言うやつではないのでは。
いつの間にか立場が逆転しているし、これではまるで彼女が悲劇のヒロインみたいだ。だからこう答える。
「僕が死ぬまでなら遊んであげる」
すると彼女はなぜか悲しい顔をしながら
「ありがとうね」
それも僕が言いたいやつだ。
それから僕は帰り道なんで彼女が悲しい顔をしているの考えてみたが全く検討もつかなかった。
そんなことを考えてるいると家に着いた、母を心配させただろうか。
「ただいま」
「おかえり、遅かったわね」
「ごめん、あとこれお土産」