「突然ゴメンね、実は話があって……」
凄く表情を沈んだ柴くんと向き合っているから緊張してしまう

「あのね…俺、転校することが決まったんだ…東北の方…それで、どうしてもむとーちゃんに言いたいことがあって…」

「言いたいこと…?」
転校することに驚いたが、言いたいことが気になった

「………実は…むとー………柚葉ちゃんのことが好きでした、付き合ってください」
ぺこりと下げられた頭に戸惑う

「あ、え…と…」

なんてかえしたらいいんだろう……

「もちろん、ずっととは言わない!ただすげー好きだったから、諦められなくて、……俺が転校する前まで…夏休みの間だけ、付き合ってくれない…?期間設定した付き合いっておかしいけど、それほど柚葉ちゃんのこと好きで…」

真剣に思いを伝えてくれる柴くんに狼狽えてしまう

「あの…え…と…うん、嬉しい……けど…」

「けど…?」

「考えさせてほしい、ちょっとだけ」
お願いします、と小さく頭を下げた

答えは決まってるけど、夏休みの間だけ、と真剣に言われ、断れなくなってしまった

「うん、分かった、申し訳ないけど、明日、返事聞きたいな、またここで、じゃあ」
有無を言わせ言い方で去って行ってしまった

私はなぎちゃんが好き…でも…柴くんがこっちに後悔を残して転校してほしくない…

気持ちがない私と付き合って楽しくないかもしれないから…断った方がいいのかな…