12月がきて、冬の気配に鼻をつまんでも、もう遅かった。

「ねえ、特技って何があると思う?」

「俺も同じこと聞こうとしてた」

味気のない会話が距離をこえる。
そっちは寒い?なんて聞かなくても、どこもかしこも寒い冬。

昨日も今日も明日も、退屈で素敵な日が続いていくんだろう。

死ぬほど楽しい毎日なんてまっぴらごめんな私たちは並んで歩けなかったけれど

少しずつ気が向いたら歩いてる。

「ねえゆかちゃん、この際一緒に八百屋始めるってのはどう?」

「何をいまさら」


かわらない明日を、のんべんだらりと生きていく。