「御愁傷様です」

太一の家族に頭を下げ、確かそんなことを言った。

太一は泣きじゃくるばかりで、まともに会話ができなくて
こういう時に暖かい言葉をかける力のない自分がつらかった。

棺に花を入れるときに、久しぶりにおばあちゃんに会えた。
真ん丸でしわしわの可愛い顔が、少しこけていた。

最後の二週間はずっと点滴に繋がれていたんだそうだ。

みんなみたいに「おばあちゃんありがとね」とか「おばあちゃん元気でね」と、声をかけることができない。
だって、私の知ってるおばあちゃんは、茄子みたいで人参みたいで、キャベツみたいで
あんなに元気だったんだもん。
泣きじゃくる太一でさえ、私には現実味がないものに感じられる。

早く、この場からいなくなりたい。