暑いのと寒いのを天秤にかけたら暑さのほうが断然嫌いだ。

すべての物事に、やる気が起きない。
そもそもやる気のある私を見たことなんてないけれど。

パン屋の店主は、汗っかきで、その姿を見ているせいで、自分の店のパンは食べないと誓った。

昨日、太一がパンを買いに来た。
私は近ごろなんとなく太一の顔をまともに見れないでいる。

どうしようもなく泣きたくなって、怒りたくなって、結局すべていやになるから。

太一はパンを買うついでに、店に貼ってある花火大会のポスターを見て、一年はあっという間だとぼやいていた。

去年は私が帰省中で一緒に花火を見れなかった。

おととしのことはもう、思い出すのもおっくうだ。

今年はまた、太一と並んで花火を見るのかな。

蝉の声が、耳障り。