理絵ちゃんに見放された。
たぶん。すごく怒っていた。

こんなんじゃ、友達もいなくなる


五月病という言葉は私たち二人のためにあるといっても過言ではない。

結局アルバイトをやめた私と、何もかわらぬ太一。
畳の上に寝転んで、ただただダラダラ過ごす五月。

今日は私の家、明日は太一の家、じゃあ次は公園に。そうやって場所をかえては、だらだらり。

猫にさえ呆れられる、大きなあくび。

太一はよく寝る。負けじと私もよく寝る。
二人で音楽を聞いて、お喋りをして、気付いたら眠っている。

「おやすみ」という言葉を聞いたことがないし、言ったことがない。

太一は、おやすみもさよならも同じなんだと言う。

だから今日も気付いたら、どちらが先なのか、眠りに就いていた。