「ごめんなさい……。」



「それで、見たんだ……。アザだらけなお前の体。」



そういう事か……。



それは……。説明するべき?



「あの、私父親に性虐待されてるんです……。あ、今は過去形ですけど……。」


「でも、昨日うちの前にいて……。意識飛んでて、目が覚めたら部屋がすごいことになってて……。部屋にはいたくなくて。駅の方に向かってたんです。」



「だからあんなにぼろぼろだったんだな。」



納得したよ、と。社長はいってくれて。




「お前、家帰れんのか?」



正直帰れない……し、帰りたくない。



でも、これ以上迷惑をかける訳には行かないから


「大丈夫です。帰れます」



自分の中の全力の笑顔でそう答えた。