みんなはキレイな
莉奈を心配していた。

夜遅いこともあって
危ないだろうと思い
駅まで送ると
言ってくれていた。

でも莉奈は
『大丈夫』と言い
ひとりで帰ったのだ。


「ほんとに何も
 なかったの?」

『莉奈さぁ
 水商売やるかも…』

「!!!!」

「絶対やめた方が
 いいって〜」

「危ないから!」


みんなは一斉に反対した。

莉奈も不安はあった。

この街はヤクザが多い
ことも知っていたし、

親にバレないという
保証もなかった。

水商売と言えば
女の子同士のいがみ合い
がすごぃイメージもある。

しかも莉奈は
田舎から出てきたばかりの
普通の女の子。
キレイだけど
夜の世界で通用するほど
美人ではない。

水商売の経験もないし、

ひとりで入店するのは
度胸のある莉奈でも
怖かった。