「壮吾(ソウゴ)」

ふと気づくと僕の名前を呼ぶ声がした


「準備早く、部活行こうぜ」

「うん」


放課後の15時48分
練習場所は早い者勝ち

僕は隅でもいいが
友人の拓(タク)は
熱心に場所取り合戦に加わる

つまり結局のところ
僕もその争いに参加してしまっている


初めは断っていたが


「俺1人で行っても相手してくれる奴いないし」

「てか壮吾と乱打してる時が1番楽しいし」



今はまあしょうがないかと
後をついていく



そういえば立花 優は
僕にとっての拓のような

特定の仲の良い友達いたっけ


不意に過る疑問に
答えは出てこなかった