誰からも嫌われず
誰からも信頼されている

それは生徒だけでなく
教師にも言える

それは修学旅行の班決めの時
人数制限で困っていたグループに 
先生がボソッと言った

「偶然同じ場所に行くことになるのは仕方がない」

その言葉に素早く反応して
適当にグループ分けを行い
そのグループに同様の班行動の予定を立てさせた


ただ単に頭の回転が速いとも言える
立場上教師の行えないことをこなす
教師からすれば
それはもう便利な駒だろう


何より自分より他人を敬う

その態度が周りを気持ち良くさせるのだ


みんな優が好きだ
嫌いなやつなんていない


「この前さ、優の悪口言ってたやつさ
今じゃ逆に陰口叩かれているらしいぜ」


いたとしても
火の粉は自身へ帰る
 

しかし何故か

あの屈託の無い笑顔の
後の


口角を下げる瞬間が
僕はどうしようもなく気になった