「俺、本気でバスケしたい」


玲於は真剣な顔で続けた。


「この前の試合を見にきてくれた有名なコーチがうちの学校に来いって言ってくれて。遠いから学校も変わる。で、母さんとか父さんにも許可もらった」

「……その学校ってどこにあるの?」

「福岡」


福岡県。博多、天神、明太子、あまおう……
東京から、900km弱


「転校しても、わたしはまだ彼女でいてもいい?」


玲於は右眉をピクリと動かしてから言った


「もちろん。絃以外の彼女なんてありえない」

「だったら、いいよ。頑張って、絶対、星岡玲於(ほしおかれお)って名前がわたしのところに届くまで!!」

「……うん。分かった。絶対、聞かせてやる」


今日初めて笑顔を浮かべ、小指を差し出してきた。


指切りげんまん、嘘ついたら針千本の〜ます!指きった!


これは約束。絶対守らなくちゃ針千本飲むことになるんだから!



でもね、玲於。たぶん君はわたしが反対しても転校しちゃったんだと思う。