ゆっくりと手をずらすと、チラッと、ジュージューという効果音付きのステーキの絵があらわになった。


裸見られるより恥ずかしい。
それは嘘だけど。


「く、食い意地張っててすみません。この日は特にお腹が空いていましてっ」


「え、なんで謝るの?俺、白井さんの食べてるところ好きだよ。すっごくおいしそうに食べる。……あの時も、」


「え、」


織くんが、何かを言いかけて飲み込んだ。


「ううん。さっきも、ハンバーグ、すっごい美味しそうに食べてたから。白井さんがお風呂入ってるときも、すごい嬉しいって愛菜さんずっと言ってた」


「そ、そうかな……だって本当に、美味しいからっ、」


ごめん織くん。今の私、もう織くんのお話をまともに聞いていません。


だってさっき『好き』って。
いや、食べてるところが、とちゃんと言っていたけれど。