しかも私のためにノートもってきてくれるなんて鼻血案件なんてレベルじゃない。


常に何事にも動じないミステリアスな雰囲気をもつ織くんの意外な面が、こんなにも見れてしまうなんて。


しかも、織くんは思ったよりもよく笑う。
うんと素敵な笑顔を向けてくる。
癒されすぎて泣きそうだ。


恐るべし、ひとつ屋根の下。
幸福でお腹いっぱいである。


実際、さっき愛菜さんお手製のハンバーグをたらふく食べたばかりなので、本当の意味でもお腹いっぱいなのだけど。


「とりあえず、被ってるところあるか見てみようか」


「う、うんっ」


織くんに言われるがまま、全教科のノートや教科書を開きながら、ふたりでお互いのノートを見比べる。


「……白井さん、字きれいだね」


「え、そ、そ、そうかな?!」


字を褒められた。
推しに。
今日は命日かマジで。