しかし、その視界にハッとした顔のお父さんが映って、急いで我に返る。


「…秋都!お父さんがっ…」

「ごめん、今は無理」


あたしの言葉には耳も貸さずに、秋都は欲望のままにあたしを抱きしめた。


「そ…そーだ!父ちゃん、仕事先から呼び出されてたんだった…!ちょっと行ってくら〜」


と言って、あたしたちの横をそそくさと通り過ぎると、お父さんは部屋から出て行ってしまった。