枕元のテーブルの上には、水と薬。

真奈美の手にはタオル。


こんな用意を真奈美1人でできるわけがない。

おそらくきぬゑさんと…、桃香がいたはずだ。


「真奈美。桃香は…?」

「…桃香さんがどうかしたの?」

「…いや。桃香の声が聞きたくて…」


俺が弱っているせいだろうか。

今は、そばに桃香がいてほしくてたまらない。


「桃香さんは、タオルだけ持ってきて、すぐに出て行っちゃったわ」