自炊できるように、使用人専用のキッチンらしい。


生活するには十分なものが、ここには揃えられていた。


…すごいっ。

ここが、あたしの新しい家。


見惚れていると、廊下の奥から物音が聞こえた。

ドアをガチャッと開け、タッタッタッと軽快に廊下を歩く音。


そして、広間に現れたのは、白髪混じりの黒髪をお団子で1つにまとめたおばあさん。


「旦那さま!こんな時間にいかがなさいましたか!?」