…まぁ、俺もあれがファーストキスだったけど。


「そんなことない。秋都でよかった」

「俺も、お前でよかった」


俺たちはお互いの首に腕をまわし、額を合わせて微笑み合った。


俺が俺じゃないくらい、こうしてそばにいることがうれしすぎてたまらない。


「もう、絶対だれにも渡さない。だから…桃香、俺の彼女になれよ」


文化祭で言えなかった言葉…。


この俺が、地味女なんかに惹かれるだなんて思ってもみなかった。