マスターキーを差し込むと、ゆっくりドアノブをひねった。

そして、中の様子を窺う。


このスイートルームは、俺も何回か泊まったことがある。

確か、一番奥に夜景を臨むことができるベッドルームがある。


ドクンドクンとうるさく鳴る鼓動。


…心のどこかでは、壮亮くんを信じたい気持ちがあった。


しかし、ベッドルームに入る手間で、あいつが履いていたハイヒールが落ちているのが目に入った瞬間…。