春兄は俺をなだめるように、にこりと笑う。



そして、ようやく毎年恒例の赤松製薬のクリスマスパーティーが幕を開けた。


初めは、招待客の挨拶などで、あくびが出そうなほど暇。

立食パーティーで出されたステーキを口へと運びながら、聞いているふうを装う。


すると、おじさんの挨拶ばかりだったマイクから、爽やかな声が聞こえてきた。


〈皆さん!今日は、我が社のクリスマスパーティーにお集まりいただきー…〉