それに、借金取りのことで周りの人にも迷惑をかけてしまって、今はあそこに住みづらいというのもある。


考え込むあたしに、おじさんは声をかける。


「だったら、わたしが家賃を払っておこうか?」

「…えぇ!?」

「これも、トラに借りた分だ。遠慮することはない」

「ダ…ダメです!そこまでしてもらうなんて、さすがにっ!」


いくらおじさんが優しい人だからって、なんでもかんでも甘えることなんてできない。