暴れたら、このお姫様抱っこから解放され、歩こうと思えば歩けるかもしれない。


だけど今は、薬のせいにして…こうしていたかった。


それに…。


『…桃香!!』


初めて、秋都があたしの名前を呼んでくれた。

もう…それだけで満足。



薬のせいなのかまた眠気がやってきて、あたしは秋都の腕の中で静かに眠ったのだった。