驚いて動きの止まった壮亮さんの隙を突いて、力いっぱい壮亮さんの体を押しのける。


「…秋都!」

「桃香!」


そして、秋都があたしを抱き寄せるようにして、腕の中に包み込んでくれた。


秋都の温かい体温。

聞こえる鼓動。


そのすべてが…落ち着く。


「…大丈夫かっ!?ケガは…!?」

「あたしは、大丈夫だよ…」


そう秋都に笑ってみせる。


秋都の顔は、安心したような…。