まるで、キツネにつままれたような話。

だけど、おそらく…これは現実。



おじさんと話している間に、いつの間にかあたしたちを乗せた車は、石造りの高い塀に囲まれた、立派な豪邸の前に着いていた。


「こ…、ここは?」

「わたしの家だよ。さっ、中へ入ってくれたまえ」


車に乗っている間に、異空間に飛ばされたかと思うほど、さっきまでのボロアパートとは別次元の場所にいるような感覚に陥る。