あたしと秋都の事情を知らない春陽さんは、不思議そうに背中に隠れるあたしを見下ろす。


べつに…意地悪をされたとかじゃなくてっ……。

いきなり現れるから、心臓に悪かっただけ。


それに、意外と似合ってるスーツ姿を、わざわざあたしに見せつけにこないでよっ。

…かっこよく見えるんだから。


「おい、モカ。夜景もきれいだぞっ」

「ホント!?あたしも見るー!」