「なにって、お前がいつも逃げるから、わざわざ俺が出向いてやったんだろっ」

「…べつに、逃げてなんかっ……」


そのとき、予鈴があった。

そして、廊下から秋都のクラスの友達が呼びにきた。


「おい、秋都!次、美術室に移動だぞー!」

「…ああ。わかった」


秋都は悔しそうな表情でそう友達に告げると、あたしの机の上に英語の教科書を放り投げて、教室から出て行った。