せっかく人が今日の業務の疲れも忘れて、花火に浸ってたっていうのにっ…。


「知ってるか?『この花火をいっしょに見ることができた相手は、将来ずっとそばにいる』っていう噂があるの」

「ああ。女子たちが騒いでるよな」

「モカだってその1人だよ。…あいつ、この花火を見ながら、夏芽に告るつもりだぞ」


あいつが、…夏兄に告白。


花火をバックに告白だなんて、まるで恋愛ドラマのワンシーンを切り取ったかのような、ロマンチックな風景が頭の中に浮かぶ。