しかし、そのあとの冬里の言葉で、すぐに現実へ叩き落される。


「夏芽といっしょだよ」


な…、夏兄といっしょ……か。


…そうだよな。

どう考えたって…そうだよなっ。


あいつは夏兄にゾッコンで、きっとこの花火だって夏兄といっしょに見たいに決まっている。

少し考えれば、簡単にわかることなのに。


俺…、なに動揺してんだよっ。

胸が妙にザワザワとし、心臓の鼓動だって…なんだかいつもと違って速い。