俺の中に、妙な焦りが生まれる。


…いやいや。

もし冬里が告ったとしても、あいつは夏兄にゾッコンなんだから、冬里と付き合うわけねぇよな。


ねぇ…よな?


あいつと冬里が手を繋いで花火を見上げる様子が、俺の脳裏に過った。


こんなときに、なんで俺はどうでもいい想像なんかしてんだよっ…!


「会長!これは、どちらへ運べばよろしいですか?」

「えっと、それはー…」