地味女が、飲んでいた水を吐き出した。


…よかった。

これで、ひとまず安心だ。


「…しっかりして!!ねぇ、お願い!」


本田紗和が、地味女の体を揺する。

それに反応した地味女が、ゆっくりと目を開けた。


「紗…和?」


ちゃんと友達の顔も認識できている。


どうにか、戻ってきたみたいだ…。


すると、地味女はゆっくりと右手に持っていたメガネを差し出した。