ぽつりと呟く紗和。


そりゃあたしだって、あんなことされてうれしいわけではないけど…。


「でもね、あの場で泣いたって“損”なだけだよ!笑っていたら、いいことがあるからさ!」


あたしは紗和に、お母さんの言葉を教えた。

あたしがこうしてへこたれないのは、その言葉のおかげだから。


「そっか。宮野さんは強い人だと思っていたけど、それはお母さん譲りだったんだね」