「これ、落ちるかな〜…。白いシャツに、チョコレートケーキとか最悪だよねぇ」


チョコレートケーキで汚れた白いTシャツに目を向けながら、隣を歩く紗和に愚痴をこぼす。

どうやって洗濯しようか考えていたあたしと違って、紗和はなんだか神妙な面持ちだ。


「どうかした、紗和?」

「…いや。宮野さんって、すごいよね」

「え、なにが?」

「私だったら、みんなの前であんなに派手な嫌がらせされたら、耐えられないかも…」