あんな大勢の女の子たちの前で、夏芽先輩に名前を呼ばれたわけだし、ヤキモチを妬かれたっておかしくはない。


…けど、そのやり方が思っていたよりもあからさますぎた。

わざとぶつかって、ケーキをつけてくるなんて。


周りも周りで、そんなケーキまみれのあたしを見て、クスクスと笑っている。


あたしは膝をはたいて立ち上がると、何事もなかったかのようにバイキング会場をあとにした。