夕食は、ホテルのバイキングだった。

2人掛けのテーブルに、紗和といっしょに座る。


「紗和は、本読めたの?」

「うん。おもしろくて集中して読めたから、充実した1日になったよ」


目の前に、せっかくのきれいな海が広がっているというのに、部屋に引きこもりはもったいない気はするけど、紗和が楽しそうならよかった。


「宮野さんは?海で泳いだの?」

「ううん。観に行っただけ。でも、そこで偶然、夏芽先輩が雑誌の撮影にきてて!」