この時点でわかる。

オレのほうが、“上”だって。


ゆっくりと振り返った男たちの間から、地味女と目が合った。


「とっ…冬里くん!」


バカっ。

名前なんかで呼んでんじゃねーよ。


「あ?こいつ、お前の女かよ?」

「ちげぇに決まってんだろっ」


だれが、こんな地味女なんかっ。


すると、男たちから少し余裕の笑みが見えた。

オレが明らかに年下とわかって、少し安心したんだろう。