俺がにこりと笑ってみせると、なぜか全速力で逃げて行った。


うわー、すっげー速ぇ。

さすが、短距離走者だな。



見えなくなったのを確認すると、ジロッと後ろを振り返った。

そこにいるのは、言うまでもなく地味女だ。


「…ったく。お前もあれくらいの告白で、なにいい気になってんだよ」

「べつに、いい気になんてなってないし!…ていうか、さっきのなに!?」