すると、パニクるあたしの肩の上に、そっと春陽さんが手を置いた。


「桃ちゃんに、レモネードを持ってきたんです。慣れない仕事で、疲れていそうだったから」

「そうですかい。やはり、春陽ぼっちゃまはお優しいですな」

「そんなことないですよ。ここにくるまで、桃ちゃんの部屋がどこかわからなくて、少し迷いましたけど」

「それなら、わたしゃに声をかけてくださればよかったものの」